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「歌詠み」カテゴリーアーカイブ
西伊豆松崎岩地の浜 ~ あけび掲載(平成二十九年十一月号)
あけび掲載(平成二十九年十一月号) 西伊豆松崎岩地の浜 岩地とふ我が好みたる浜のあり山に囲まれ波静かなり 海中に入れば不思議や出でざりし右足前に軽く運べり 胸ほどの深さを選び弧を描く汀に沿ひて歩を進めたり 岩地の江再び見 … 続きを読む
津久井やまゆり園事件より一年 ~ あけび掲載(平成二十九年十月号)
あけび掲載(平成二十九年十月号) 津久井やまゆり園事件より一年 恐ろしき事件ならずや十九人元職員に刺殺さるとは 死傷者は四十六人に及びたり異例のことに氏名明かさず 身心に癒やされぬ傷残るらむたとひいのちはとりとむるとも … 続きを読む
わがいのち ~ あけび掲載(平成二十九年九月号)
あけび掲載(平成二十九年九月号) わがいのち お産婆に逆さに持たれ背や腹を叩かるれども産声上げず いたづらに時は過ぎゆき産声のなきこと「三十分」と祖母言ひたりき ひくひくと戦きつつもわがいのち呼吸(いき)を求めて足掻きを … 続きを読む
国領神社の藤 ~ あけび掲載(平成二十九年七月号)
あけび掲載(平成二十九年七月号) 国領神社の藤 一週間もつか否かの盛りなり国領神社の千年の藤 境内に入れば甘き香ただよひて藤の花房幾千本か 藤棚を高めにしつらへその花はかくもかをりの強きものかは 熊蜂や細かき他の羽虫らも … 続きを読む
最も強き男の伝説 ~ あけび掲載(平成二十九年六月号)
あけび掲載(平成二十九年六月号) 最も強き男の伝説 不敵なるモハメド・アリの実像をとらへしテレビの番組を見つ 不遜なる予告通りにリング上蝶のごと舞ふ蜂の一刺し おほぐちを叩くも汝(なれ)いざ試合まへ弱音おほきとセコンドの … 続きを読む
発声困難 ~ あけび掲載(平成二十九年五月号)
あけび掲載(平成二十九年五月号) 発声困難 言ひたきを無声音にて一心に言へども単語も言ひ切れずをり 声出でぬことも増えゆき会話さへままならぬ我とり残さるる そのときに言へざりしこと機会をし失ひたれば二度と言へざり 会話さ … 続きを読む
毎朝の寝起きに ~ あけび掲載(平成二十七年七月号)
あけび掲載(平成二十七年七月号) 毎朝の寝起きに まどろみの楽しき時は永遠に許されざるや足の燃ゆれば 不随意の筋緊張に頸椎も潰れて髄を損傷すとふ めらめらと首ゆ下しも燃えてをりただ薬の名呼び続けたり 足熱し身体も熱し痛し … 続きを読む
今冬(誤嚥に悩まされつつ) ~ あけび掲載(平成二十七年五月号)
あけび掲載(平成二十七年五月号) 今冬(誤嚥に悩まされつつ この冬は寒かりしかばわが部屋にほぼ籠りゐて外に出ざりし 生きながらかほどに罪の深からむ地獄の炎に足灼かれをり 鉛筆ゆ万年筆まで足指に挟みたる跡ことさら痛し クリ … 続きを読む
人恋ふる秋 ~ あけび掲載(平成二十七年二月号)
あけび掲載(平成二十七年二月号) 人恋ふる秋 君なくて何ぞこの身のあるべきや一途に思ふわが心かな 手も足も動かぬ身にていまさらに何をせむとや恋の告白 「好きです」と短きメールのその後に一言打ちて署名をしたり 恋すると告げ … 続きを読む
友逝けり ~ あけび掲載(平成二十六年九月号)
あけび掲載(平成二十六年九月号) 友逝けり またひとり共に時代を拓きこしかけがへのなき友を送れり 葬儀にて出会ひし頃の思ひ出を弔辞に代へて語りたりけり たまさかに同人誌にてきみの詩を見しよりいたく捕へられたり 詩をひとつ … 続きを読む