上映会トークと伊勢旅行(二)  〜あけび掲載 (令和二年一月号)


「トーク」とて気の利く話は難しき一言伝ふも時間なければ
挨拶は新富座にて行なひぬ髪引かれつつ外宮に向かふ
外宮には正殿のみをお参りす内宮にゆくを急きたればなり
日輪は水素を糧に輝くを外宮の女神の整ふるらむ
なだらかに木に覆はるる山の辺の段丘の上に内宮はあり
五十鈴川渡れば涼しき森の中玉砂利の道に誘はれゆく
玉砂利を車輪に踏みて神域の森の奥へと進みゆくなり
森の奥ややも霧らひて斜めなる木漏れ日の筋浮き立ちて見ゆ