大津留温先生の思ひ出  〜あけび掲載 (令和元年九月号)


誘はれてあけびの会に入りし時先生わが家を訪れらるる
印刷物よめぬわれをば気にかけて朗読者をば募らるるとは
やさしげに笑み浮かべつつ訪れぬご婦人方をふたり従へ
添削は丁寧にしてくださりぬ遅れがちなるわが歌稿にも
先生の添削により身につけし歌語は増しゆき今に至れり
若きより和歌は好みて親しめどわれには才能なしと決めをり
わが友の大津留直は先生の甥に当れりゆゑに誘はる
遠き日に友と散歩の途上にて突如寄れるは先生宅か