クルレンツィスのチャイコフスキー  〜あけび掲載 (令和元年五月号)


ソリストにコパチンスカヤを迎へつつ「ヴァイオリン協奏曲」は今始まれり
奏者らの立ちて演奏することはムジカエテルナ独自の手法
指揮台もなき中央にソリストと向かひ合ふがにクルレンツィスは立つ
ソリストと指揮者の間に深き穴開きてそこより楽立ちのぼる
喝采に応へて三曲演奏すコパチンスカヤはもてなし上手
死を予感しつつ作曲せることをかほど「悲愴」に感じたるなき
満席の聴衆はみなステージの音のドラマに心奪はる
革命児クルレンツィスの音楽は古楽に根差し現代を超ゆ