積雪二十三センチ  〜あけび掲載 (平成三十年四月号)


午前より舞ひ初めし雪午後になり見る見る積みてなをも止まざる
屋根や木に積みたる雪の歩道にもやがて積みゆき人黙々と行く
車道には雪積みたるやいつになく車の音も絶えてせざりき
日中より降りたる雪の夜に入るも衰へざりき夜半過ぐるまで
窓よりし見ゆるかぎりを真白にしみるみる積む雪八寸ほどか
この雪に阻まれつつも帰る人替はる人らのこと気遣ひぬ
帰りには途中自転車あきらめて電車にするも二時間経しとふ
この寒さ日向の雪は消ゆるとも陰には永く残り続けむ