人恋ふる秋  〜あけび掲載 (平成二十七年二月号)


君なくて何ぞこの身のあるべきや一途に思ふわが心かな
手も足も動かぬ身にていまさらに何をせむとや恋の告白
「好きです」と短きメールのその後に一言打ちて署名をしたり
恋すると告げし言葉に君よりし返しの来たる「素直にありがたう」と
この年齢のこの障害にしてなほ熱きかかる想ひの沸き来るとは
十数年世話になりたる君はいま新たに看護ステーションを立つ
改めて熱き看護師育てむと看護チームを君は立ち上ぐ
いま告げておかねば永遠にといふ心ありてや出でし恋の言の葉