幼き頃受けしいぢめ

幼きに受けしいぢめを今頃にふと思ひ出づけさの寝起きに/実験に紛ふ治療を不憫とて祖母は我をば預かりゆきぬ/朝祖母とマッサージへと通ひつつ昼は近所の子らと遊べり/蜘蛛の子を散らすがごとく逃げらるる子らは「病気が移る」といひて/ものを言ふその引きつれる表情を真似さるること心に痛し/マヒ我の歩くを写す鏡にはその痛みまで写らざりしか/いぢめ受け報告すれば祖母言ひぬ気の毒なるはその子らの方と/いぢめられしこともありつつかばはるることもありてやいまのわれあり