「カフェゆうじ屋」

教へ子の新たに店を持つといふ散歩がてらに三軒茶屋へゆく/地図を手に世田谷通りの信号に向へばてふど祐二のゐたり/電動の車椅子(いす)にてわれらを先導し路地の奥なる店に案内(あない)す/込み入れる迷路の奥にあればこそ入れば隠れ家心地よきなり/初夏のみの甘夏シフォンは西伊豆の我らが山に熟(な)るを生かせり/三軒茶屋その三角地帯の路地奥によくも持ちたり「交流の場」/持ち前の茶目つ気いかし自らを宣伝塔とし売り歩きたる/「ゆうじ」とふ名をし知らぬも姿をば知る人多きこの三キロ圏