京都・旅を括りて

われの目に平等院は薄かりき宇治十帖の描写確かむ/宇治川を「賤山がつ」の上下せむ山の間のこの急流を/山峡を縫ひて流るる宇治川は琵琶の湖より溢れ来れる/片岸の崖を削りて通したる道はくねりて琵琶湖へ至る/最終日駅まで街を歩くこと雨降りなればかなはざりけり/北口の古都に似合はぬ駅ビルのラーメン街にて腹を満せり/滑るごと安定感もて走り初む新幹線は心地よきかな/貸し出しの介護ベッドを宿に据ゑ拠点とするを交渉せし君