原発事故に思ふ

ヤマメさへ来るとふ清き流れまで線量高きを未だ信じえず/清らなる流れの岸に蕗の薹タラの芽出づるも線量高し/線量の高きが故に作付をやめし人らの無念を思ふ/懐かしき農村風景山あひの田畑の中に人影見えず/「継ぐ」と決めしその背に重き放射線避難先より戻りし若きら/目に見えぬ毒もて人を地獄へと落とす原発許してよきや/安全と言ひしは誰ぞや地震(なゐ)おほき日本の原発なぞ信じ来し/大自然相手に基準は作れるやすぐに原発なくせざるとも