無縁社会

絆なき社会といふもそも人の「世間」をいとふ心に因らずや/かつて我介助を頼む重圧の来る所以を解きしことあり/介助をし受くる心の重圧を「世間」ゆ来る牽制と解く/階段を下りて別なる校舎へと移るに友に手も借りずをり/ひとたびに縁をつくれば分を守り生活せよとの声の聞ゆる/姿なき牽制による自己規制そを嫌ひてや孤を選ぶらむ/貧困は言ふに及ばず死別など単身者を待つ「身元不明」か/輝けるいのちに立ちて自ずから絆むすばむ恐るるなかれ