被爆後六十四年

閃光とともに飛ばされ気の付けば変はり果てたる人々数多/戦中といへど日毎の生活のあるを断たれし八時十五分/指先ゆただれし皮膚の長く垂れ水乞ひ歩く人の幾人/地獄絵もかくはあらざれ生と死と入り混りたるその光景は/たまさかに生き残れるもケロイドや癌に悩める六十四年(むそよとせ)なり/被爆者はただ生活と医療との保障を求め立ち上がりたり/被爆者にとりて生くるは難からむ体調のあり差別まであり/絶対の非核非武装あるを信ず敢へて立ちたるその語り部に