いのちあり  〜あけび掲載 (平成十九年五月号)

はからひの極まるところわが思ふいのちありそに支へらるると/痛みさへわが生存の証とぞ思ひつつなほ痛きは痛し/春夏は心地はよけれ冬し来り筋肉神経昂じはじむる/肋骨をめくり上ぐがに胸苦しこの身体(からだ)もてわれ今日も生く/今日もまた足の先なる激痛に耐えて一日(ひとひ)をすぎゆくらしも/きのふ胸けふは足指攣(ひきつ)りて耐へがたければなむあみだぶつ/リハビリに励めば励むその度にかへりて苦痛の増しゆくはなぜ/気分よき時は車椅子(いす)にて蕎麦啜る光明一筋みゆる気のする