再びモーツァルト年に  〜あけび掲載 (平成十九年二月号)

澄みとほる楽の音強く迫りきてわが身の苦痛持ち去りゆきぬ/美しく哀しくも燃ゆモーツァルトの最後のピアノ協奏曲は/刻みたるシンコペーション激しくも揺るる心を載せて響き来/無垢にしていたづら好きの神童も憂ひはあまたもて人と成る/管楽とピアノとによる五重奏その演奏のげにあたたかき/シンプルにみゆる楽曲その内にモーツァルトとふ世界天降(あも)れる/長き序の後に刻めるシンコペーションそに載り主題はほとばしり出づ/側臥にてオペラの画面観るは難し耳に聴くのみ舞台は想ふ