春あらし

闘病のわが枕辺の瑠璃窓を激しくたたき春一番の吹く/轟音に窓より見れば電線を激しく揺らし南風(みなみかぜ)吹く/日和かと思へば南風(なんぷう)吹き荒れてものの倒るる音しきりなり/まだ遠き道のりならむなほ続くこの身の苦痛癒ゆる日はいつ


この痛みこの苦しみをいかにせむわが肋骨の裂くるがごとき/雪深き山峡の瀬の岩陰に落つる玉水しきりなるらむ/みすずかる信濃の里の早蕨は今ぞ陽をあび萌えいづるらむ