堅田に寄りて2  〜あけび掲載 (平成十六年十月号)

路地おほき堅田の街の軒にさく枝いつぱいの白き小手毬/倅(こ)の首を切り落さむとする像(かたどり)かかかる漁民の伝説あはれ/叡山の僧に追はれし本願寺のひととき置かれし寺のありたり/本願寺ゆかりの寺にひびきゐる子らの歓声託児所なりき/児(こ)を負ひてかへる間際に本堂を拝せし母の白き厨着(くりやぎ)/浮御堂の近くの湖岸に釣糸をたれたる少年の影は動かず/湖わたる風の冷えゆく夕ぐれを水路に釣りする子らのいくたり/釣りをする子に尋ぬればギルといふ外来魚なり「たくさんゐるよ」