堅田に寄りて1  〜あけび掲載 (平成十六年九月号)

大阪に来しついでにと近江なる堅田の里にふと立ち寄りぬ/しづかなる寺社集まりし街の中かほりほのかに家々の建つ/あまたなる歴史の風雪くぐりたる堅田の暮らし今も残れり/風情ある家並(やな)みの続くその角に一本(ひともと)の藤枝(え)をひろげたり/臥せゐしにゆかしと思ふ藤の花けふ堅田にて盛り見むとは/車椅子押されてゆきし寺の門そこより見ゆる庭の美(うるは)し/緑なす若葉のなかに紅葉(もみぢ)せるかへるでらしき木の二本見ゆ/ふるきより水運により栄へゐし堅田の賑はひいかばかりなる