夏 朝顔

入谷なる朝顔市より届きたる鉢を置きたり横の窓辺に/わが暮らすベッドの横に窓ありて柵の内にぞ花を置きたり/年ごとにとも学友贈りこし朝顔は窓の柵にぞ蔓絡まりぬ/絡まりて蔓と葉繁りさながらにわがいのちをば励ますがごと/あした朝には可憐な花をつけてをりその色合ひにわれ安らげり


われよりも朝顔に先づ水与ふきみありてこそ窓辺に咲きぬれ/九月(ながつき)の末にありてもいまだなほ蔓延びてをり葉は枯れつつも/われもまたいのちの力生かしたし最後のあだ花咲かせらるるまで/われよりも朝顔のいのち大事やと冗談とばし笑ひ誘ひぬ